ゆったりとしてる
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昨夜は中洲川端の《Gates'7》まで『ましまろ』を観に。
彼らの来福に気がついた時はすでに1週間を切っていた。さすがにチケットはもうなかろうと思いダメ元でメンバーの真城めぐみにメールしてみると、前夜になって1枚確保という返答があり急遽駆けつけることに。
ギリギリまで仕事をしていたらイキナリ豪雨、クルマ&自転車アクセスを電車に変更。そのため到着は開演5分オーバー。それでもその程度の誤差で都心部まで着けちゃうのだから博多というところはスゴいと痛感。
テーブル席メインの会場だがすでに“立ち見”とのこと。東京の会場のようにドアまでギッチリのスシ詰め状態を想像するも(以前オリジナル・ラヴの田島氏から招待をもらい、渋谷のライブ会場に着いてドアを開けたらもう一枚分厚い“人間のドア”が立っていたため断念した経験アリ)そんなことこともなくドリンクカウンターまですんなり行き着けた。人々にも適度な隙間があり、立っていても居やすい。思えば80年代半ば辺りまでは東京の会場にもこんなゆったり感があった。だがバブルをまたいで詰め込むだけ詰め込むスタイルに変わった。こんなところにも福岡の住みやすさを感じてしまう。
直後、ぽつんと空いていたソファー席を見つけあっさり座れてしまった。こんなカンファタブルな環境でマーシーの肉声を聴くのは初だろう。ふと、アコギを抱える彼を見るのはおそらく86年の今はなき渋谷屋根裏でのホリー・バーバリアン(注1)以来ではなかろうかと回想。あれから幾年月…(遠い眼)
じつはここ10年ほどライブはちょっと敬遠している。20〜30代でもう一生分のライブを観てしまったのかなんなのか自己分析に至らないが、毎度2〜3曲でお腹いっぱいになってしまうのだ(いつもお誘いくださっているみなさんゴメンナサイ)。それよりも誰かと話をしたり、帰って自分のことをしたくなったりしてしまう。よって今回は異例中の異例。
なのに昨夜は入場して彼らの演奏が耳に入るやいなや、イキナリ切なくなって来ちゃって軽〜く涙腺が緩み出す始末。曲が続くに連れてさまざまな思い出が去来し、ラスト2曲前の『ガランとしてる』ではステージの壁を“一点見つめ”の状態に。思えば90年前後、彼の歌声を聴かない日はなかったからなあ。
どんなライブにも必ず来る「中だるみ」にはお酒のオーダータイムと称してセットリストにないインストを演奏し始めて休んでみたり、メンバーが他メンバーの作った曲を軽くディスるなどMCも面白く、気がつけばアンコールまで聴き入っていた。ああ、すべてにおいてお腹いっぱいになっちゃうワケではないんだなと胸を撫で下ろす。やはり異例中の異例。
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終演後メンバーとホテルのロビーで再会、久々の会話を交わす。…この人ら年を取らんなあ。中森氏が長崎出身だったこと、飯塚に住んでいたことなんかが始めて判りびっくり。我が家の界隈もその昔よくドライブで通ったという。
彼らはご存知の通りザ・クロマニヨンズとヒックス・ヴィルの混合バンド。80年代には同じ東京モッズシーンにいた“金石の交り”。そんな朋友が30年後に一緒に全国を廻ってるって、いいなァ。先日甲本邸に夕食に呼ばれた際、ロックミュージシャンは年を取ったとき肉体よりもマインドを保つことの方が大変そうだという話をして来たばかりだったが、こんなこともできるんだからやっぱり羨ましい職業だ…とガランとした地下鉄の中で考えたりしていた。
(それにしても真城とマーシーの掛け合いがあんなに“かみ合う”とは思わなんだ 笑)
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(注1)
ブルーハーツのメジャーデビュー前、マーシーがアンプラグドでのソロ活動をする際の個人名義。デビュー後のソロでは本名の真島昌利に戻したため、事実上ホリー・バーバリアン(聖なる野蛮人)は自然消滅した。
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