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March 2014

2014.03.08

余りあることは美しきかな

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明日9日、友人が東京より来福する。都下/国分寺市の
古いFLAT HOUSEを店舗併用住居として暮らすTさん。

昨秋より関東から友人が代わる代わるやって来ているが、僕と同じようにフォルクスワーゲンT3で来るのは彼女が初。それに愛娘とご友人と愛犬と寝具を乗っけ、途中瀬戸内の海辺や島に立ち寄りながらのんびりやってくる。車中泊ができるキャンパーはこの「予定ざっくりでOK」なところがいい。

シングルマザーの彼女の目的はひとつ、転居先視察だ。現居の取り壊しの日がそう遠くなさそうな雰囲気になって来たことと、一向に収束する気配のない、それどころか日に日に悪化しているようにしか見えない福一のことから、次の居住地候補地として福岡県を選んだのである。

かつて沖縄の海岸に恋人と掘っ立て小屋を作り、食べ物を海や野で調達してそこから保存食を作ったりして暮らしていたというすんごい経歴を持つの彼女、その時のスリリングでありながら確かに「生きてる!」という実感に溢れた日々が忘れられず、次はどうしても再び海のそばに住みたいという。

ちょうど昨年末、我が家の近隣でアメリカンビンテージショップを経営するYさんご夫妻に紹介されたある地主さんから、所有する空き地の使い道についての相談を受けた。行ってみたらば眼前がどーんと海で、垣根をまたげばすぐ浜辺というこれまた贅沢な土地。この60坪ほどを地域のために有効活用できないか…という主旨だった。

そのときピンと来たのがTさんのこと。おお〜いたじゃないかいたじゃないか適材が!彼女は前夫が大工。しかも彼女の師匠でもあったので、妻であり愛弟子でもあったTさんは自分で家を建てられる腕を持っている(のにKO大学卒という異色の高学歴)現居の増改築をはじめ、庭にタイニーハウスまで自らで建ててしまった。以前「いつか海辺の近くに平屋を(自分の腕で)建ててね、そこに心が疲れた人たちに滞在してもらって一緒にご飯を作って食べたりするようなことをしたいのよ〜」という話をしてくれたことを思い出した。


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[Tさんのお宅。これをすべてセルフで完成させたというから驚き]

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彼女のハナシを地主さんに伝えると「そういう人にゼヒ使ってもらいたい」という反応。そういうことなら家賃なんか要らないという申し出までいただいてしまったが、さすがにそうもいかないだろうということで借地料はキチンとお支払いするものの、腰を抜かすほど安くしてもらえそうな予感がしている。

とはいえ先ずは本人が土地を見て気に入るか否かからではあるが、ここにそんなFLAT HOUSEができたらと想像しただけで楽しみのビタミンがレモン10個分になる。こんな機会に立ち会うと、スペースが余っているということは本当に素晴らしいと痛感する。新しいアイデアと人が呼び込め、それを容易に反映し育めるのだから。こういうマッチングがうまくいくと自分のことのように嬉しくなる性分。4〜5日福岡に滞在するとのこと、どう転んで行くのかわくわくしている。

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[ここがその土地。眼前には穏やかな博多の海が広がる]

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