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2013.12.03

静かにお詫び、お知らせ、&喜び

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既にお気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、現在『FLAT HOUSE LIFE』『FLAT HOUSE LIFE vol.2』の販売が停まってしまっています。当書は、発行元(マーブルトロン)と販売元(中央公論新社)が違っており、前者が後者の販売口座を借りて商品を流通させていましたが、それが今夏両社の契約切れ更新なしという、通常では起こりにくい事態に陥ったというのです。正式に連絡があったわけではなく関係者からの伝え聴きですが、書籍自体はまだ出版社に存在するものの流通は不全という、ジツに不可解な状況にあるようなのです。

 

 

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こんな話をしてイイものか迷うが、著者印税はここ1年未払い(注1)。今春の終わりあたりから昨年交代した新代表はおろか経理社員でさえ電話がつながらない(というか出てくれない)状態となり、社の存続状況すら不明。当社刊のほとんどが買えない状況にあるということだけは明確なため、どうにか販売だけでも復旧させられないか関係者やほかの著者らと連携しながら画策している最中です。書店に行ったが取り寄せもできないという苦情を少なからずいただいておりますが、近日中には某かの結論が得られると思いますので、詳細がはっきりし次第またご報告致します。皆さまにはご迷惑をおかけして大変申しわけありませんが今しばらくお待ちください。

 

 

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そしてもうひとつ、いったいどーなった!?とあちこちで訊かれる『FLAT HOUSE style』の件。こちらもごシンパイをおかけしております。戦後ヤミで出回った3合も呑めばツブれる粗悪酒=カストリ酒から皮肉った「カストリ雑誌」の呼び名よろしく、3号でツブれるという様相は正に我が誌の現在。そうならないようにとフン張っては来たものの、なに分自費出版。印刷するたびに大金を準備しなくてはならない上、我が国の書店はほとんどが「委託販売」であり、料金回収は2ヶ月以上先になります。その間のやりくりがこれまたまことにしんどい。

 

そしてもうひとつは「流通」の難しさ。倉庫から事務所までの本の運搬は2名で、発送や管理はほぼひとりで行っているため、出版した後も時間やエネルギーをそちらに持って行かれてしまいます。もちろんそうしたことは当初からの想定内ではありましたが、始めるは易し継続は難しといったところ。各号すべて買い取りにしてもらえたならばそういう問題も大幅に解消されるのですが、委託は月末に計算書のやり取りをたくさんの書店としなくてはならず、これを本業と両立させるのがまた至難の業。

 

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しかし3巻の発行を終え創刊から3年が経った現在、随分と問題点や改善点を洗い出せ発見は多々。また、創刊号と2号はおかげさまで完売することができました(3号は一部書店で現在も取扱中)。2巻の増刷も検討しておりますが、次号分の取材は完了しているので資金調達および流通の確立を急いでなるべく早く再出発したいと考えています。

 

 

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というようなジツに気分のすぐれない状態のまま九州転居を敢行した今夏、福岡で知り合った内装大工のU氏から驚くものを見せられた。氏ご所有の拙著数冊なのだが、これがまた読み古され加減がスゴいのである。すり切れたカバーにアタマから飛び出すたくさんの付箋。聴けばバイブルのように繰り返し読んでくれているということで、自宅では元より現場、はたまた運転中も赤信号で停まるたびにページを開いているという(ちょっと危ない)。こんなふうになるまで読み返してもらえる本が果たして世の中に何冊あるだろうか。変わり果てた我が分身を見てくすんでいた気持ちが随分と上向きとなり、図らずも本を書いて良かったと再び静かに喜べる時間を九州でもいただいた。拙著をお持ちいただいている読者のみなさんに改めて厚く御礼を申し上げたい。

 

 

 

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最後に、もうひとつお知らせを。現在竹書房から上梓する新刊の執筆に入っている。発刊は2〜3月あたりの予定。FLAT HOUSEシリーズとはまた切り口の違った趣きの書に乞うご期待!

 

 

 

 

(注1)
のちに元代表のK氏から連絡が入り、印税の半分が支払われた。

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