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February 2010

2010.02.16

10 minutes RENDEZ-VOUS

明後日の18日(木)FMラジオJ-WAVEでしゃべって来ます。

ラジオで話すのは実は2回目。
もう20年近くも前、某短波ラジオ局勤めしていたバンド友人K氏が
「今度の日曜日、会社に好きなレコード持ってきて。
番組に空き時間ができたからみんなで何かしゃべろう~」
と誘われたのが最初。
(一緒に出たのはFAVE RAVES現メンバーのVO氏&奥方とG氏だったね)

K氏はジツに豪放磊落な男で、それまでもしばしば
バンド仲間を集めてはこんなことをしていたようだが
それにしても粋狂というか、やらせる方もやらせる方、
何とも大様なラジオ局である。

だってズブの素人であるワカゾー数人がですよ、
DJブースに臆面もなく入って持参したレコードを廻して
この曲のここがスキだァーだの、あそこに旅行にいったァーだのと
時々シモネタなんぞも織り交ぜ駄弁りまくって2時間も
だらだらとコーキョーの電波を占拠していたわけだから。


漁師と競馬ファンが聴視者の殆どを占めるといわれている同局、
どーせこの時間の番組なんて誰も聴いてやしないって、と言うK氏の
憶測からこんなことやっちゃってたんだが、後日その日のワレワレの
くっちゃべり放送を聴いていたと一通手紙が来たんだとか。

遠洋漁業に従事する若者だったようで、苦情かと思いきや
またやってください的な好意的内容だったらしい・・・。
それ聞くにつけむしろ猛省してしまいした(笑)


でもまあ、60年代に登場したアメリカの大学放送(後のカレッジチャート)
なんかも、結構こんなノリで始まったのかもなあ(レベルの差はあれ)
それを面白い!と思ってくれた人が一人でも居て
ハガキまで書かせたわけだから、
「ナビゲーターの好きな音楽をかけまくる」というジツに
初歩レベルの放送ポリシーが案外受けたのかもしれない。

それから十数年の時を経て今回はFM局。
J-WAVEの昼間のレイチェル・チャンさんがナビゲートする
RENDEZ-VOUS(ランデヴー)』という番組内の
アーティスト&作家を紹介する『ワンダフルエッセンス』という
短いコーナーで、拙著の話をメインにしゃべって参ります。


時間は14時30分からで10分間のナマ。
おそらくあっというに終わると思いますが、受信地域にお住まいの
ココロ&お時間に余裕のある方は木曜14時半に81.3に合わせてみてください。

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2010.02.01

クールハンド紳士録 No001 【丹下陣太氏】 (下)


当日朝、例のユニック付ブルーのトラックが我が家脇に停まるや否や
運転席からひらりと飛び降りた丹下陣太氏、挨拶もそこそこ
ニッカボッカー&地下足袋にさっさと履き代えるとぴょんと池脇に躍り出た。

快晴。温暖化のせいで4月下旬の庭先はもう初夏の風情だ。

アゴ髭をいじりながら池周囲を眺めなおし「ふふ~ん」と一言発するとよく道路工事で目撃するハツリ機(アスファルトを剥がすドリルのような機械)を不恰好な滝口に突き立て「ぐッばッばッばッばッばッ」と言う轟音を鳴らし作業を開始。近隣には前日挨拶に行ったので心配はしなかったが、工事現場がそのままに我が家にいらっしゃい~の、ものすごい音だ。


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←■コイツが滝口。横から穴あきブロック丸見えの低完成度。こんなのが2ツも作ってあった。


ブロック上のガレキが先ず砕け散り、ガランゴトンと大小のかけらが次々に転がり落ちた。なるべく池に落ちないように、そして背面の塀を傷つけないように壊すのには相当神経を使うに違いない。素人がやったらその殆どが池に落下し、塀も大きく削れたことだろう。その後西側にあるふたつ目の滝口も同様に破壊&撤去して午前中は終了。こう書くとジツに簡単そうだが、チャチな見かけによらずなかなか堅牢な造りで、さしもの丹下氏も苦心惨憺しているように見えた。

昼食は2人分用意していたが、「持参しましたので~」とバッグからタッパーを2個取り出して自前の弁当をムシャムシャ食べ始めた。細身だが遠くから見るとシルエットの背筋がしゃんと伸びていて、なんだか稽古中の野武士が食事をしているように見えた。


午後。
灯篭型をしたプラスチック製の浄化ポンプとそのほかのガラクタを片付ける作業。ポンプ本体がブロック塀と池の間に打ち上げられており、それを引っ張り上げる。すると、スイッチパネルや配線などもつながって持ち上がって来た。驚いたのは電源ケーブルが庭の地下を斜めに横断し家の北側まで這っていたこと。引っ張るとズバズバ~ッと地面からまさに芋づるのように浮き上がった。苦笑&失笑。おいおい、ここまでやるのなら「見てくれ」もキチンと造って出てってくれよ。2人で顔を見合わせてため息混じりに笑った。

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夕方、作業完了。
ケーブル類をニッパーでぱつぱつと刻むと、麻袋に放り込み砕かれたガレキと共にリフトを使ってトラックに積み込んだ。これらを山梨の自分の敷地でリユースすると言う。彼はこんなふうに建物の解体現場で仕事をしては廃材をえっちらおっちらと山梨に運び、家や家までの道路の材料にしているらしいのだ。再利用に対する徹底度がすごい。トラックの後ろに付けられたバンパーも小さなタイヤを半分に切って作られたものだし、荷を結ぶゴムロープも古タイヤのチューブを刻んだものをつないで使っている。

私も「食材と消耗品以外は新品を買わない」がだんだんモットーのようになって来ていたが、彼にはとてもかなわない。彼に比べれば私も浪費家に属するだろう。だってモノを買わないんだから。クルマでさえ廃車になったものを自分で直して使う。もちろん車検も自分で通す。トラックの燃料もてんぷら廃油のリユースでまかなおうと考えているようだ。


しかし、彼はしばしば見かける「エコ変人」(失礼!)のような類の人間とも違う。自分の流儀と社会との距離をキチンと読み取って生きている。それはよく手入れされた道具やトラック、ロジカル過ぎずエモーショナル過ぎずのバランスの取れたもの言いからよくわかる。

「リサイクルよりもリユースの方が環境にとってはよりやさしいんですよ。モチロン財布にも。それにリサイクルは結局CO2を排出しますが、リユースはほとんど出しません。」と、彼は話す。また「今の世の中はね、もし欲しいものがあったならそれを探し続ければ一年以内にタダで入手できますよ。どこそこのメーカーの何など細かい注文さえしなければね。」とも。現に彼の家にある家電は貰ったり現場に放置されていたものを清掃・手入れ修理しリユースしたものばかり。付属していなかったトラックの荷降ろしリフトのコントローラも、きょろきょろし続けていたらある日偶然拾ったという。


この後も、彼はちょくちょく来ては照明機具の撤去や取り付け、窓ガラスのシーリング、門扉のキャスターの交換などなど、こちらが頼まないことも含めてたくさんボランティア仕事をしてくれた。特にバスルームの棚取り付けで持ち出した電動ドリルの刃もリユースだというのにはおどろいた。現場に落ちていたものを研磨し集めたというが、あまりにピカピカに美しく磨かれたものばかりなので、とても捨てられていたものに見えない。


カーポートの門扉を開け閉めしていたときも「どうも走りが悪いですね」と、すぐにキャスターの車軸が折れている事を診断。当の本人はこんなものだろうと潤滑油を吹いて良しとしていたのに。カタログでメーカーを調べ上げ廃版品と知るや、後日サイズの近いもの買って来てくれ、ものの5分で交換して見せた。今では小指一本でもするするとスムーズに開閉する。

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↑■コレがリユースのドリルの刃。木、モルタル、タイル、金属・・・開ける部材によってそれぞれ違うものを使うらしい。そんなレクチャーを手を動かしながらしてくれる。

家の中にも存在する物理的な事象や機械工学的なこと、そのメカニズムを小学生にもわかるよう解説してくれる彼の素晴らしい部分は、インテリジェンスに溢れているのに肉体労働をナリワイとしているところに象徴される。右脳と左脳、身体と肉体、理論と実践、理数と文科などなどアンビバレンツとも言える要素がバランスよく同居している点である。


本来、頭脳労働者はもっと身体を使って、そして肉体労働者は脳みそを駆使して理論的に働くべきなのだろう。そのどちらかをサボらせてしまう「脳みそ&肉体の分業制」はニンゲンにとっては望ましくないのだと思う。

カネが無いカネが無いとぼやく人の大多数は、本当に「お金が無い」わけではない。そういう人に限って見ているとタバコや缶コーヒー、晩酌の発泡酒は毎日欠かさなかったりする。どうしたらお金をムダにしないで済むか、を真剣に考えようとしない「研究と実践が足りない人」なのではないかと思う。丹下陣太の一挙手一投足を見ていると、世の中まだまだムダに溢れ返っているように映って仕方がない。

仕事中の会話、彼の哲学論とも言えるような世間話はどこを切っても面白かった。この考え方をどうにかして世間に広められないか、とさえ思った。この紳士録第一号の脳内は、いずれ何らかの形で世の中に発表してゆくことになるだろう。そう遠くない将来に。


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■もともと付いていた蛍光灯の類は全て彼が撤去しシーリングアタッチメントに交換してくれた。その殆どが現場で覚えた独学。こちらにも次は自分独りでできるように解りやすく解説してくれる→


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