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June 2009

2009.06.08

撤去と修繕の日々

大家とは「設えたものは全て撤去して出る」という
約束を何となく交わしてはいた。
何となく、というのは入居時に明言されたり契約書に書かれて
いたわけではなく、日々の大家との会話で
何となくにおわせられていたという意味だ。

元をただせば不動産屋仲介ナシのオーナー直借り物件の
信頼関係で交わされたようなユルユル賃貸契約だった。
それゆえ口約束だ、とブっちぎって逃げてしまう事だってできた。
しかし、それをいい事にこれまで荒らしっぱなしで踏み倒すように
出て行く借り手が結構いたという嘆きもよく聞かされていた。

特に法人契約していたアメリカン・スクールの米国人教員に
そうして行く者が多かったという。出て行った後ドアを開けてみたら
柱がイヌにかじられ鉛筆の先みたいになっていたこともあったとか。
「旅の恥は掻き捨て」とは英語で何というか知らないが
そういうことをしておいて平気な顔でご帰国なさったらしい。

こうした恩を仇で返すようなことを重ねることで
人は人を信じなくなり持つ者の警戒心・規制を強くさせてしまう。
世の中をつまらなくするマトリクスだ。

入居の際家賃を負けてくれたり、集合住宅では
とても不可能と思われるわがままをあれこれを黙認してくれた。
そういう良心的な大家に、そんなことだけはすまいと思い
引越し後1ヶ月の猶予期間をもらってその間に全てを撤去することに。

しかしそれが今回の引越しの中で一番の心身の負担になった。


先ず、バルコニーの撤去。2坪分はあった。
引越し直前にリサイクルショップで見つけ
購入しておいたチェーンソーを出動させる。

旧型品だったので事故のないように取説書をキッチリ読んだが
念のため近所のDIYショップに持参すると刃の緩みを調整してくれた。

緩んだまま使うと危ないというのは取説書にも明記してあったが
その他いろいろとレクチャーしてくれたのでオイルのほかに
振動を緩和するという専用グローブを購入した。
人情とはそういうものだ。


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一日でやるのは不可能と思い新居から数日通い分け少しずつ片付けることにした。思いのほか出た廃材は少しずつ持ち帰って処分に出したり元ご近所に頼んで少量ずつ振り分け可燃ごみの日に出してもらった。

そして一番大変だったのは植木の処分だ。カイヅカイブキという高さ2mほどの樹を40本強。家の周囲を囲むように植えたのだがこの撤去には時間がかかった。幸い根っこを真下へ張る性質の樹だったので横への掘削は回避できたが一日2~3時間かけて少しずつ根を緩めても2週間ほどかかった。

↑■友人らに手伝ってもらい作った思い出のバルコニーを曇天の日に独りで壊す。チェーンソーの振動は思いのほかカラダに響いた。

サスガに抜き終えた樹の処分は素人には困難で
以前手入れをしてくれた業者S氏に有償で頼んだ。

根を掘る作業そのものも去ることながら
生樹の生命を剥いでゆかねばからないというのがとてもキツかった。
この撤去作業全工程を終えてみて思ったこと、それは
「モノを破壊する作業は作るよりもココロの疲労が大きい」ということだ。
数日後会う友人会う知人「ヤツれたねえ」と言われた。
「痩せた」ではなく「ヤツれた」と・・・(泣)

そして新居に戻れば修繕&掃除のあれこれが待っていた。
「生きるとはハンザツな作業の繰り返し」とだれかが言っていたが
何だか戦場に独りで居るような戦々恐々とした気分になっていた。
しかし、ここでスバラシイ助っ人が現れたのだ(つづく)

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■すっかり植木が無くなった周囲。疲労感しか残らなかった。いくら約束とは言え正しい選択だったのか甚だ疑問。本当に抜樹すべきなのか大家にもっと粘り強く問いかけるべきだったと全て抜き終えたあと激しく後悔。


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