それは3月の所為
卒業や異動など「別離」と「出発」が交錯する月回り。
そんな3月も今日でもう終わり。
昨秋から募っていた隣家に今月やっと入居者が越してきた。
ブログからすっかり有名になってしまったブサイク猫の飼い主である友人O氏夫妻宅の食事会で出合ったDJを生業とする若者。
厳ついルックスとは対照的な物腰と礼儀正しさにとても好感が持てたので、間借り生活から脱出するための部屋を探していると聞くにつけ平屋に住んでみないかとスカウトしてみた。前のめりの反応にそのまま帰りがけに案内すると、マンションにはない内装やフンイキにすっかりノックアウトされた様子で、3日後には入居決意の電話が来た。
今まで内覧しに来た人々はみな交通アクセスの悪さや設備の不備などを理由にパスしていったが、自転車しか持っていないと言うのに彼はそんなことものともせず決意。開発を間逃れ現存している古い平屋には大抵そういうデメリットはセットなもの。だからこそ今日までタイムスリップしたかの如くのんびりゆったりと残っていると言える。彼のように鈍感に住み始めた者だけが味わえる甘い果実、それが古い平屋物件なのだ。そして僕のように永年住み着いてしまう事になる。
でも3月はいい。
何かがゆっくりと終わって何かがゆっくりと始まろうとする胎動の季節。
どっち着かずの曖昧な感じもいいし、陽が明らかに長くなり始めるのもいい。
その季節に同調するわけではないが
今度はこちらが引っ越すこととなった。
(つづく)
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