白雪姫の棺
AV機器の名機BraunSK61をついに入手。
そのディテイルの美しさから発売当事「白雪姫の棺」と称された真空管アンプ+ラジオ+スピーカー内臓プレイヤー。 1961年製のMade in Germany、デザインはかのディータ・ラムス。15年ほど前だったか、雑誌で見て一目ぼれして以来いつの日か必ずや手に入れてやると密かにココロに誓っていた一台。
Braun社は今でこそ電気カミソリや電動歯ブラシ、キッチンツールなど単価の低いいわゆる消耗家電で成り立っている印象があるが、創社当初はハイスペックのオーディオ製品の名品を多数作っており特にそのデザイン性の高さは特筆。アルネ・ヤコブセンも自社モデルルームには必ず登場させたほど、半世紀経った現在でも世界に多数のコレクターが存在する。
今回は某海外インテリア会社に勤務する知人のまた知人であるドイツ人コレクターから入手。今と違って当事はマスプロダクツをも丁寧にこしらえていた時代、とにかくこの美しきフォルムを篤とごらんあれ!
■このアクリル製ダストカバーと色白な美しいカラーリングが「白雪姫の棺」と呼ばれる由縁。当事最先端材料として登場したばかりのアクリル一枚を曲げ加工しサイドをウッドでフィックスするという斬新ぶり。このハイブリッド感がたまらない!SK61の成功以来、各メーカーがこぞってアクリルをターンテーブルのダストカバーのスタンダードスペックとして採用した↙
↑■レコードを載せ回転数を設定し『C』と書かれたレバーを降ろすと同時にアームもダウンし再生が始まる。にしても当事はステレオと言えばまだ木製の大仰なサイドボードに収まっていた時代、このルックスは相当衝撃的だったことだろう。
■このブルーグレーが実にミッドセンチュリー。ウルトラセブンのウルトラ警備隊のコーポレートカラーを連想、ウルトラホークやポインターを思い出さないか!↗
↑■回転数は4段階。当事はまだSP盤も聴く人が多数いたのだろう。トーンアームにはレコードの外に下ろしてしまったりというミスを防止するガイドが付いている。こういう細かい気配りに完動を憶える。
←■LP (Long Play)盤を聴く際にもカバーが閉められるようヒンジ部側にはアールが切ってある。ジツに芸が細かいのでアール。
↓■裏側には既に現在のAV機器を予感させるような数個のポートが。
さまざまな機器を互換させる時代の到来を昭和36年当事にして既に予見している。
↗■LPを置くと7インチ用センターホルダーが沈むようになっている(もーこう言うのがくすぐられる!)写真では少々見にくいが同心円を描くターンテーブル・マットがジツにウツクシイ。50年近く経過しているにも拘らずゴム類の劣化がほとんど見られない。流石は世界に冠たる技術立国ドイツの作品だ。音も驚くほどイイ。ガリ音&ビビリ音、音ワレ等は一切ナシ。ホンマに50年前の機械かいな!?と驚嘆の念を禁じえない。
■チューナーパネルの控えめなバックライト。フォントもクール↓
■真空管を採用しているため、音がまろやかで暖かい。実はモノラルではなくこの本体と同サイズのスピーカーがオプショナルで存在し、それを接続するとステレオになるのであった!
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