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April 2005

2005.04.25

欧州車のインテリアブティック『Gadget Mode』発進!

「起業家精神」。最近よく耳にする言葉です。
日本は「企業主導国家」であり、海外からは集団の中の一個のギアになることを得意としオーガナイズされてこそ才能を発揮するアリのような民族と言われて来ました。が、どっこいそれは90年代初頭までのハナシ。寄らば大樹の陰、長いものには巻かれろの時代はもうとうに終焉しました。

80年代隆盛したマンモス企業は90年代後半から次々と倒産。たとえ無事に組織に属していられても独り独りが生産者としての自覚を持ち、常に新しいものを創造し採算を考えながら提案し続けなければ、会社、強いては社会全体が立ち行かなくなるセチガライ時代です。
・・・ウーム、なんだか日経スペシャル『ガイアの夜明け』のようなくだりですが頼もしいことに僕の周りには「企業家精神」に溢れた人間が結構いて、それぞれいろいろな方面で才能を発揮してくれています。そして僕はそんな彼らに触発され、時に引っ張られながら、時に押し運ばれながらここまで来られたように思うのです。そして彼らへの恩返しもこめて時々CIを手がけるなど僕にできる手伝いをさせてもらっている次第です。


走り出す『Gadget Mode』

そんな友人の中で今最も期待を寄せているのがH氏。マンガ『サーキットの狼』を少年時代に読んでから憧れ続け入手したポルシェ911カレラをイキナリ手放し、「面白そうだから」とルノー社のトランスポーター/カングーを新車で購入、「どうしちゃったの!?」と周囲を驚かせた男。しかもボディカラーは誰もがちょっと敬遠しそうな真紅!(車の形が形だけに郵便配達に見えちゃう!?)このダブルチョイスにはびっくりましたが、彼のスゴイ所はこの辺のハズシ加減(失礼~!笑)にあるのです。当て勘ならぬハズシ勘とでもいうのでしょうか、彼の所有物を見回すと「当時これを買おうとは思わなかったよなあ~」というハズシアイテムが多く、しかもその殆どが流通量が少なかったためか今ではマニア垂涎の激レア・アイテムに変貌したものばかり・・・恐るべしH氏の選球眼!!このカングーも今にエンスー車に仲間入りしレアカラーになる可能性は無限大!!(笑)

そんな彼のセンスには一目置いていたのですが、彼が日々赤カングーに乗るにつけ「こんなインテリアがあったらいいのに~」とひらめいたアイデアをDIY店や生地屋通いで自主製作していることはなんとなく知っていた程度。それをルノー・ジャポンに見せびらかしたところ好感触、面白いから全国展開しようという話にまで盛り上がっちゃったからサア大変!じゃあ、一丁やってみっか~とブランドを立ち上げると聞いてびっくり!その名も『Gadget Mode(ガジェット・モード)』。クルマのお洒落を楽しもうというところから命名したそうです。現在も新商品を準備中、今後はカングーに限らずいろいろな欧州車に乗って商品開発してゆきたいのこと。頼もしい!

「思ったら具体化せよ」。彼のD.カーネギーもあいだみつを氏も同じことを言っています。できないことを何かのせいにせず先ず始めてみる。先送りにせずH氏の如く軽~いカンジで即始めてみる。本当は結構カンタンなことなんですよ、きっと。自分の職業を賛ずるつもりはありませんが、何かを造って人の役に立つ、評価される、喜ばれる・・・それがこの器用に動く5本指の両手を携え生まれてきた僕らの至福の根本ではないかと思うのです。


  gadget-st

デザインには H氏のフットワークの軽さと独自の目線でアイテムを発信しヒョウヒョウとマイペースで進むイメージを醸しました。期待してるぜ、ガジェット君!  


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2005.04.23

オリジナルブランド!(アウター編)

先日monoマガジンの仕事をした際、打ち合わせに来てくれたワールドフォトプレス社の編集者T氏(超好青年!)が、数年前に僕が渋谷のアパレルメーカーC社とコラボレイトしたPコートを着て現れたのでびっくり!そう、TがCのPだったのです!コラボと言ってもコートの右肩に貼り付けられたエンブレムに僕のイラストの刺繍が入っているだけなのですが、コレが改めてよく見ると服全体のデザインも含め実にカワイイ!!(そっと自画自賛)これを見たとたん「あ、そういえばいろんなの作ったんだっけ!」と思い出し、しばし仕事を忘れ感無量。「気に入って愛着してるんですよ~」というコトバに更に感涙。「仕事についてもっと書いて欲しい」と時々頂く声にお応えし、今回は僕が関わった洋服をいくつかご紹介するとしましょう~


C.blumes/Pコート

ダブルボタンとシングルの2パターン展開。丈は短めでシルエットは細め、ポケット/ハンドウォーマーのフラップがニットになっていたりベンツがサイドに入っていたりとなかなか洒落た仕上がりになっています。メルトン地より軽めの生地を使っているせいか若干毛玉が出来やすいのが反省点、ですかね。

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右肩にイラストのエンブレムが付いています。刺繍といえば色とりどりにケバケバさせてしまいそうなところですが、企画したC社担当者のセンスの賜物、イラストのアウトラインを単色ステッチでなぞっているだけの抑えられた仕上がり。試作を見せられた時「おお、こう使ったか~!!」と歓喜したものです。


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少し光沢のある白の糸でステッチング。シングルにはバイキングの男の子が、ダブルには船長さんが静かに自己主張しています。(残念ながらダブルの方は未入手)


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arataパーカ

乱暴に言えばマウンテンとヨットとM-51のあいのこを目指したデザイン。当初はスクーターに乗る時にM-51パーカの代わりにという設定で企画されましたが、オンオフに拘わらずインナーも選ばず羽織れる一着にしようというコンセプトに移行。(僕の頭の中には60年代サーフ&ドラッグバンド/ロニー&ザ・デイトナスの「GTO」のスリーブでメンバーが着ているパーカがありました)生地はもとよりファスナー類などのパーツひとつひとつまで吟味、フロントにはジップ止めのフラップをスナップボタンで付けるなど細部に渡って注文させてもらいました。残念ながら1ロットで生産終了しましたが僕のわがままをそのまんま具現化してもらえたことに非常に満足している一着です。そんなことからも僕の名前をつけてくれた理由がわかる正真証明のオリジナル。生産数も50着弱と僅少な為、お持ちの方、レアですぞ!

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このブログと同名のロゴとキャラクターのモノグラムが裏地に入っています。当初は写真のコバルトブルーのほかバーガンディとベージュの3色展開の予定でしたが、予算の都合上表地と裏地を逆にしたにリバースエディションの2パターン展開となりました。
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一見すると「!?」と思われるかもしれませんが女のコが着ると実にカワイイのがリバースエディション。残念ながら僕は似合わなかったけど(笑)

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左袖口にロゴをプリント。こんなところの遊びにも付き合ってくれたC社にはホント感謝です。


次回はPコートの胸にも付いているPINSとここで洋服を手がけるきっかけになったTシャツをご紹介します。 


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