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December 2004

2004.12.13

ラグドール「ナンシーちゃん」のポップなサービス精神に脱帽です!

杉並区に住んでいた小学生時代、同級生に医者の息子が居たのですが、実に品のいいウチに住んでいました。古い木造ながら掃除が行き届いており、ぴかぴかに磨き上げられた年季の入ったフローリングや川に面した小さな庭が子供ながらにとても落ち着く家でした。
当時、学研発刊の月刊誌「科学」と「学習」という付録満載の知育雑誌の購読が子供たちの間でちょっとしたステイタスだったのですが、彼は両誌を定期購読していました。これはお金持ちの子供である証!で時々しか買ってもらえなかった僕にとってとてもうらやましいこと、遊びに行ってはむさぼるように読ませてもらったものでした。

特に楽しみにしていたのは「学習」の方にほんの2ページほど連載されていた「ナンシーちゃん」というアメリカの短編マンガ。吹き出し内が全て英語で各コマの下に和訳が載っていたため、外国のマンガであることは8歳の僕にもすぐ解りました。それほど面白いオチが待っているワケでもないのですが、日本マンガにはない独特なカット割り、細かく描き込まれた家やインテリア、町並み、登場人物の洒落たフンイキにひきつけられました。10年ほど前に吉祥寺にあるビンテージ・トイを扱う店で偶然このオリジナルコミックスと再会、「Nancy And Sluggo」が原題であることと1930年代に誕生したかなり古いマンガであることを知りました。

そしてその直後アメリカン・トイ・コレクターの友人宅で「ナンシーちゃん」の相棒であるシシ鼻のスラゴくんのラグドールを見かけ、そのかわいらしさとパッケージとしての完成度の高さに魅せられどうしても欲しくなりました。何度か譲渡交渉を試みましたが、友人も大枚はたいて購入した様子で「いつかね~」とはぐらかされっ放し。その後アメリカのオークションサイトで彼を発見、先日ナンシーちゃんの方も無事落札しました。ミスタードーナッツのノベルティで有名なハラダオサム氏も大ファンだったというこのナンシーちゃん、そろそろブレイク!を切望しているんだけど、未だにパクリのネコキャラがハバを利かせるこの国じゃムリな話かなあ・・・。

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なんともワクワクさせられるポップなパッケージ!
ロゴやカラーリングも各々違っているし人形のバックにはキチンと背景が描き込まれているなどパッケージとしての完成度が高く、前オーナーが30年も未開封で保存していた理由がわかります。本体も洋服の細部まで「できる範囲」まで再現されており、やり過ぎていないディティ-ルの寸止め感と「所詮お人形さん」的謙虚なフンイキや一生懸命さが今の玩具にはない気持ち良さです。右側は1948年のオリジナルコミックス。戦後3年で(恐らく戦時下でも)カラー印刷の子供マンガ雑誌を出していたわけだから当時のアメリカと日本の物資の豊かさの差を感じてしまいますね。


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ボックスの裏側と側面にマンガつき!
切り取り線が付いている所など気が利いている。とにかくサービス精神いっぱいなところに好感が持てます。言いたくないけど「昔のオモチャはよかったなあ~」。


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