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November 2004

2004.11.12

そして、MODS MAYDAY '04!

そして今年の『MODS MAYDAY '04』。あれから20年の歳月が過ぎ去りました。今回一緒に行ったのはバンド仲間。彼らは僕より一まわりも年下なので、当時は小学生~幼稚園児だったわけです(笑)。

雨も降り出しそうだったこともあって川崎へはクルマで向かうことにしました。府中川崎街道と並走する多摩川沿道をハイ・ナンバーズの「ズート・スーツ」なんぞをフルボリュームでかけみんなで熱唱しながらひたすら南下。パーキングに入れる頃には小雨が振り出して来ていました。

ある程度は解っていたことでしたが到着後まずびっくりしたのが並ぶスクーターの完成度の高さ。84~5年当時はVespaGSはおろか、Lambrettaを見かけることさえ珍しかったのに、オリジナルと思しき旧型スクーターがまるでショールームのように並んでいました。

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ちょうどバブル期に欧州や東南アジアからヴィンテージスクーターが大量に日本に流入していたようでしたが(しかもめちゃくちゃな高価格で!)それから13~4年経った現在、更に細かい部分にまで追求が及んでいる印象。僕らだって絶版になりたてのスタジアムミラーを探しに上野のバイク街まで足を運んだり必死になってオリジナルパーツを買い求めたりしたものでしたが、やはりタマ数に限度がありました。

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いろいろな意味で妥協せざる得ない時代でしたが、今は情報も品数もケタ違い。ある程度は想像していたものの、ペイントやシート、計器類といった部品までの追求の深さが僕らの頃とは段違いなことに改めて感心してしまいました。そして一台として似通ったものがない。こういったディテイルの細部にまで神経をとがらせることこそモッズがモッズである所以、当然の進化?なのかも知れません。

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今となってはMODS=モッズも60年代のユースカルチャーとして随分認知されて来ましたが(もちろんまだまだですが)、当時はある程度音楽を聴いている人でさえ「あ、九州のバンドだね!」程度の認識。一般民衆に至っては「いったい何なの?」という反応がほとんど(特にビートルズやストーンズを聴いている人がこのムーブメントを全く知らない、ということにはシンプルに疑問を覚えたものです)。彼らからしてみれば小ざっぱりとしたスタイル、髪型には共感できても、シャープなコンビ・シューズやスクエアなサングラス、タイトなスーツやクレージーにデコレートされたスクーターは不可解と映ったことでしょう。

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僕の場合も家族の評判は芳しくありませんでした。が、年下の女の子たちには不思議とウケが良く、バイト先でもよくウエイトレスの女の子たちにシゲシゲと見られては細かく質問され、後日「モッズファッションの記事が載ってたよ~!」などと雑誌の切抜きをマメに持って来てくれたりしたものでした。理解者とは常に意外な所に居るものなのかも知れませんね(笑)。

当日の出演バンドはさしづめ同窓会のような顔ぶれでした。先述した新宿JAMを拠点として活動していた仲間たち、ザ・ヘア、ザ・コレクターズ、フェイヴ・レイヴス、そしてDJも新宿ツバキハウス時代から廻していたface稲葉達哉氏!僕らが小学生くらいの時からブルーアイド・ソウルやブリティッシュ・ビートに精通、数々のミュージシャンたちと深い親交を持つ兄貴分的存在の山名昇氏!そしてオーディエンスの中には早稲田ブリティッシュ・ビート研究会の旧友・深谷くん、常にハイ・ボルテージなダンスで一緒に盛り上がった成増のショウちゃん(当日は金髪に真っ白なセーラーのスタイル!)とケンちゃん(良く覚えていてくれました!)クールな山モッズのmabo!みんなみんなホントに懐かしい顔ぶれでした!

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それにしても会場に響く黒田学氏のテンションの高い進行にはあんなに元気な人だったっけ!?と驚くほど、心からこの集まりを盛り上げようとしている気持ちが浮き彫られていたし、殆どテクノと化していたザ・へアの音&パフォーマンスには常にポテンシャルを追求し続けるmodバンドの意気が見て取れ、ザ・コレクターズのステージには「ライブをやり続けるバンドはなんてカッコいいんだろう!!」と目からウロコ・・・転がり行く彼らのサマを目の当たりにし、この集まりがその昔消滅した音楽、風俗を懐かしむだけの回顧的イベントとは種類が違うのだということをしみじみ再認識させられました。

20年前では考えられなかったテッズやロッカーズの姿が見られたり(彼らも仲間だったりするのだが)、デニムにTシャツ姿のクラブ然としたスタイルの参加者がチラホラ居たりする会場風景は ややもすればMODSのアティテュードとは相反するような形骸化したお祭りになってしまったと映りかねないものの、クラシカルなスタイルを堅持しながらも「常に新しいことを取り入れる」MODSならではの先進性はキチンと踏襲されていたように思います。

最後にギグがはねた後、楽屋の廊下でばったり会ったザ・ヘアのあっちゃんと何もコトバを交わすこともなく静かにハグ、感慨深い再会の数秒間を過ごせたことが個人的に嬉しい出来事でした。来年も会おう、みんな。 STAY HIP!!


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