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2004.08.14

続・MODS MAYDAYレポートの前に・・・


その翌年のMODS MAYDAYは僕にとって忘れることの出来ない
最もエキサイティングな1日となりました。

ライブが始まる前の15時頃から渋谷公会堂前に三々五々
スクーターが集結、原宿から青山通り~溜池を経由して
銀座方面を流し人々の視線を浴びながら渋谷のライブハウス
へ戻る、というデモンストレーション・ランは本当に
気持ちの良いものでしたね。

僕はホワイトのヴェスパET3プリマベラ 125を
この日にあわせて入手しデコレートしていました。
原宿の交差点で友人2人とスクーターの調子を
見るため停車した際、テレビカメラと
レポーター風数人が駆け寄って来て
ねほりはほり訊かれたのを憶えています。

「暴走族ではないんですよね?」
「このバイクは?」
「どういう種類のファッションなの?」

などと質問されたので、暴走族ではないし、
これはバイクではないスクーターだ、
知らんだろうけど俺たちはMODSである、
と言うカンジにつっけんどんに答えてやりました。
マスコミなんぞには一切媚びない、
これぞMODのアティテュード!(笑)

会場に着くや、ランに参加できなかったメンツと
挨拶を交わし意気揚々エレベーターに飛び乗ると、
『ザ・コーツ』を解散させたばかりの
甲本ヒロト氏と鉢合わせ!僕はバンドも去ることながら
彼自身の大ファンだったので緊張しながらも話しかけ、
今日はどのくらいのMODSが集まっているとか、
彼のスクーターが盗まれたという会話を天にも
昇らんばかりの気持ちで交わしました。
そう、この時確か新しいバンドの青写真も
ちらっと聴かされましたっけ!
(もちろんザ・ブルーハーツ!)

会場に入ると新宿JAMでは見かけないMODたちが
たくさんいることにびっくり。今思うと男の方が
圧倒的に多く、MODS以外はほとんど見あたらないと
いうかなりコアなイベントでしたね
(というかこのイベントの場合はそれが当たり前なのですが)。

この時アルバイトで知り合った友人から、
今は亡き『新宿ツバキハウス』に集まるクラブ系MODSの
存在を聞かされました。彼らは何となく僕らより洗練された
観があり、スクーターも60年代のオールドにまたがっていたり
ファッションも東京では入手困難なレアものを身に
着けていたりと、よりディテイルに凝っていたような
印象がありました。


おりしもこの時DJを務めていた藤井サトル氏は
(僕と同じ大学に通っており、ウチの学校にも
こんなとんがった輩が居たのか!と 驚嘆)
その後ウラ原宿のカリズマとなる
藤原ヒロシ氏らと『CLUB KING』 をユニットし、
80年代のクラブシーン創世記を
席巻することになります。


そしてこの日最も楽しかったのがダンスやファッションが
カッコいいと認められたMODSは司会者の独断でステージに
上げられるというダンスコンテスト。60年代当時の英国の
TV番組『Ready Steady Go! 』を模したものですが、
ライブの合間にこんなことをすることがたまらなく新鮮でしたね。

始まって数分もしないうちにガンガン踊っていた
僕は「スゴイね~~!!」と呼び止められ
上げられたのを憶えています。
それもそのはず、バッヂを100個近くつけた
ポロシャツを着ていたのでダンスよりも
その鼻息の荒さに気圧されたのでしょう。
(そうそう、このときの司会者は確かアライさん!)

この日の出演バンドも、後に東京を中心に全国のMODSシーンの
牽引車となる黒田マナブ氏率いる『ページ・スリー』をはじめ、
現ザ・ハイロウズのマーシーと篠原太郎氏(ex ザ・ブリックストン)
が在籍していた伝説のバンド『ザ・ブレイカーズ』解散後、
最も人気の高かったスリーピースバンド『ザ・スタンダーズ』、
今も第一線で活動を続ける『ザ・コレクターズ』の前身『ザ・バイク』、
そして関西からは『ザ・モダーンズ』が駆けつけるなど蒼々たる顔ぶれでした。

特に『ハイ・スタイル』 のマンジ氏が書く後の渋谷系サウンドの
先を行くような60SバブルガムPOP的メロディと(乞う復活!)
オリジナルR&Bばかりを独特のフレーバーで カバーし続ける
『ザ・ブライトン・ブルービーツ』(後に『ザ・ヘア』と改名、
現在もクレージーケンバンドの横山剣氏とセッションをしたりと
シブいスタンスで活動中)のパーフォーマンスの大ファンでしたね。


当時のMODSシーンはジツに多士済々、さまざまな才能と
センスが自然と持ち寄られ、争うこともなければ馴れ合いもせず
見事なバランスを保って成立していたように思います。
それはその後ここから飛び出したたくさんの仲間たちがさまざまな
世界で各々名を馳せていったことからもうかがい知れることでしょう。
そしてそんな仲間たちと偶然にも幾ばくかの時間を
共有できたことを今でも誇りに思っています。


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